2011-01-01から1年間の記事一覧
これはこの文章に続く部分を読まないとよくわからないんですよ。飯を食うとか眠るとかの生きていく必要が生存するという言葉の意味です。そういう意味の生存のためにはにんげんの精神は判断し行動するということです。するとそこでは判断と行動はセットにな…
感覚的にいうと精神が扉がしまるように、万力で絞られるように閉じる感覚というのがあります。ギギギギギと閉まると表情が固くなり、現実から心が遠ざかり、それでも入ってくる現実の言葉や関係にいらだちムカつき怒鳴りたくなる。それは誰にでもある瞬間な…
この文章は読んだ通りのものだから特に解説はいらないと思います。ただここで言われている「ひとつの己を賭ける仕事」という仕事の意味が生活収入を支える生業(なりわい)よりも広い意味で使われていることを指摘すればいいだけだと思います。吉本にとって…
真に空想している者という時に、戦争を心から肯定し天皇の神聖を心から信じ、それを断ち切られた吉本自身を含めていると思います。時代的な限界のなかで生きるということはすべての人間の宿命ですが、それはその時代の意識がどこかで空想を含んでいるという…
この言葉は分かりやすいので解説は必要ないように思います。また自分なりに自分に関心のある事柄に当てはめて使うこともできます。どうしようもない必然的な事柄については悲しみが湧いて、悲しみは感情を浄化するように感じられます。しかし判断の誤りとか…
意識的な歪みは意識的な努力で正すことができても、無意識的な歪みを正すことはとても困難だということでしょう。わたしが無意識の歪みをもっているとして、もっているでしょうが、それをわたしはどうして察知できるのか。たぶんそれを知りたいということは…
アルダンというのはアメリカのことです。エリアンというのは吉本自身のことで、これは自分自身と自分の現実をもとにした創作の文章です。しかしこの断片に関する限り吉本の敗戦当時の現実への感想そのものと考えていいと思います。この文章の中心は「もう、…
負号というのは自分自身に対する懐疑なんだと思います。自己矛盾を持たず自己をほがらかに肯定して即座に社会に対する考察や行動に入る幸せなひとたちと異なり、まず自分自身の中に存在する矛盾や自己嫌悪から取り組まなければならない。そういっているのだ…
東北と関東に大地震が起こり、その報道を聞きながらこの解説を書いています。この地震がこれからもどう進行するかわからない状況にありポルソナーレのゼミが成立するのかもまだ不明です。この地震に接して頭から離れない疑問を正直に書くと、この地震は本当…
あまり考えることに執着すると、五感覚的な把握が遠ざかり離人症に似た状態になります。頭で考えることは周囲の感覚的なことを相対的に離れることの上に成り立つからです。だからそれは息をつめることに生理的になるんでしょう。それを吉本は病といっている…
搾取というのは生産手段を私有している者つまり資本家が労働者を雇い働かせ、労働者が生産した価値の中から労働者が生活できる、つまり再生産できるかぎりの価値を労賃として支払い、残りの価値は資本家の自由にすることをいうんだと思います。もっと面倒な…
人の生涯というものと思想が取り扱う人類史の長さというものを釣り合わせようという錯覚から若い吉本は早くも逃れているように思います。この老成した感性はどこから来るのか。たぶん吉本は自分の内面の井戸のようなもののなかに、歴史の現在だけでは説明の…
自由は精神の由緒正しい根源だという若い吉本の発想は、やがて人間の精神というものの根源には生命体という有機体が無機的な環界に対して抱く異和があり、同時にその異和を打ち消したい衝動があり、その結果有機体にも無機的な自然にも還元できない領域をい…
吉本は書いたものを売るということに醒めた認識をもっています。売文という稼業を旅芸人にたとえています。それはふつうの生活人の下の境涯だという認識です。文学とか芸術という架空の職業がふつうの生活人に対して何かという問題意識は吉本に言わせれば、…
この吉本のいう「僕の思想」の中身が重要です。この文章で言われていることは歴史的な現実というものから抑圧を感じているということだけです。抑圧を感じているというのは具体的にいえば一家団欒で食事をしている時でも、職場で現場の仕事に集中しなければ…
精神は現実があって始めて血肉となるものです。理解だけなら才能と知の習得に恵まれた少数のにんげんができるでしょう。しかし一般大衆が総体としてある精神の段階に達するには、現実の段階が踏み越えられる必要がある。それがアジアの課題で、今でもそうで…
アウグステイヌじゃなくてアウグスティヌスじゃないかと思うんだけど外国語は全然わかんないからな。ましてアウグスティヌスの思想というのは全然知らないので困ります。だから今回は昨年にも増してテキトーなことを書きますので、しかもちょっと酒もはいっ…
虚無という形而上の言葉を「うつ」という形而下の言葉に置き換えてみます。うつは何も創造できない、理屈に耐えられないから定義もできない、誰も救えないしそもそも自分自身が救えない。しかしうつであろうとなんであろうと生きている以上、どこかにひそか…