あの遠くの家へ還つてしまひそうな貧しい少年や少女たち。僕はほんの短いノートを君達のために用意してあるのだ。幸せで富んだヨーロッパの少年や少女たちの精神の内面の出来事についての物語は、君達を慰めるかも知れない。けれど、これは大切なことだが、君達は慰めによつて生きてゆくのではなく、君達の創造によつて生きてゆくのだ。そしてこの国の貧しさや立ち遅れは、君達の創造を歪めたり湿らせたりするし、君達は精神の内面よりも、外面のことで多くの創造をしなければならないかも知れない。これが君達の不幸であるのかどうか、知らないのだ

東北と関東に大地震が起こり、その報道を聞きながらこの解説を書いています。この地震がこれからもどう進行するかわからない状況にありポルソナーレのゼミが成立するのかもまだ不明です。この地震に接して頭から離れない疑問を正直に書くと、この地震は本当に自然災害なのだろうかということです。現在世界的に頻発する地震というものは海底や地底のプレートに核爆弾のようなものを仕掛け、アメリカが人工的に引き起こしたのではないかという疑惑を抱きます。そういうことに対する科学的な知識は全然ないので妄想といわれるとそれまでです。地震兵器といわれるものが存在するという陰謀論と見なされる見解があるのは知っています。それはまともには取り上げられることのない、UFOが存在するというのと同じレベルと見なされている見解です。しかし絶対にそうした見解は成り立たないという否定の根拠も私は知りません。だからこうした疑問はこれから解明するべき自分の宿題ということにするしかありません。
こうした根拠のない疑問を抱く理由は現在のアメリカが金融崩壊に近づきつつあると考えるからです。アメリカ政府は膨大なドル紙幣を刷り、サブプライムローンのような不動産証券を中心とする不良債権の買い取りを行っています。いまやアメリカ政府は不良債権を山のように抱え込んで巨大な風船のように資産・負債の規模を膨らませている状態です。そしてその刷りまくったドル紙幣は金融機関に命じることで実態からかけ離れた株高を演じることに使われ、また余剰のドル紙幣は商品相場に流れ込んで原油をはじめとする商品価格つまり実物価格を釣り上げているんだと思います。アメリカ国内で大金融機関がまたつぶれたり、州の地方政府が財政破たんしたり、アメリカの国債を大量に買わされている他国がそれを売り払いだしたりすればアメリカの金融は再び爆発し危機に瀕し、今回こそは全面的な崩壊までなだれ込むと思います。その危険は日増しに高まり、おそらく今年か来年かという状況にあるのではないかと考えます。アメリカはこの状況を乗り切るために何を仕掛けたいかと考えるとひとつは戦争だと思います。戦争はアメリカの巨大な軍需産業とそれに依存した多くの産業にとって戦争景気といわれるような利益を生み出すからです。しかし今のアメリカには戦争を維持する財政的な余裕がないのではないかと思います。するとアメリカが地震兵器的なものを仕掛けたのかどうかは判明しませんが、アメリカにとって現在たいへん都合のよい状況とは他国が経済的に衰退していくことでしょう。アメリカの製品を世界に売るには他国の産業が衰退している必要があるからです。妄想的にいえば、世界が相次ぐ天災によって黙示録の世界のように混乱し衰退していけば、新たなる世界の指導者という大義名分をもってアメリカというよりアメリカ政府を支配する金融財閥は自らに都合のよいような政策を打ち出しやすくなると考えます。その一つは確実に新たなる通貨の制定で、それは実質的にはドルの切り下げによるアメリカ国債の無価値化あるいは極端な切り下げによる返済負担の軽減になるのだと思います。あまりにアメリカにとって都合のいい天災が頻発するじゃないかというのが妄想的といわれても疑念が消えない理由です。
断末魔にあるアメリカはいまやかってのように巧みなカムフラージュと準備をを入念にほどこして他国の政治工作を行う余裕を失っています。かなり露骨でアメリカが背後にいると感じられる工作を準備も不足なまま次々に打たざるをえない切迫した状況にあると思います。日本の現在の政治的な動きにも、日本人の感覚からは出てこない残忍で日本的感性を逆なでし、あまりにも細かな法律を盾に厳罰を下すというようなアメリカ的な動きがたくさんあり、それは自民党の時代にはなかった露骨さです。これはアメリカの日本政府への背後からの支配という構図が余裕をなくして露出し始めた兆候だと思っています。それは小泉と竹中の政権から始まった兆候です。
その露骨になったアメリカによる世界支配に気づいた人々は世界的に増えているのだと思います。私も小泉以降、副島隆彦の属国論によってようやくアメリカの世界支配のいっかんとしての日本支配という構図に気づくようになりました。そして唖然とするほど驚いたのは、日本のエリート層と見なされる政治家や高級官僚、メディアの上層部と大企業がアメリカというお殿様に土下座をするしかない卑屈な奴隷的な存在であり、その卑屈さをひた隠しにして一般大衆に対してはすべてが自分で仕切っているかのように傲慢にふるまう嫌な連中だという事実です。これをアジア的というなら、まさにアメリカという殿様の前にひれ伏し、大きな枠組みで何をするかについての自分の思想も見識も方針も持たず、ただ命令を実行する実務的な能力だけをもった小役人の群れにすぎないことがアジア的な心性であるといえるでしょう。そしてその実相を隠しに隠し、体裁をつけてさも自分がすべてを考えたかのように装う。ただ命令されて動いているし、一言も反論もできないし、一番の被害者である国民や大衆や消費者に分からなきゃいいだろうというような仕打ちをして恥じない。こんなひどい卑屈で保身しか考えない連中が日本のいわば奴隷頭として殿様から任命されて城勤めを果たしているだけなのか、というのが正直な現在の私の感想です。
一方そのアジア的な家来をあごで使う世界覇権者であるアメリカの金融財閥やその手下で形式的な政治支配者であるアメリカ政府の心性とはなんでしょうか。それは私たちが教わってきた民主的な公平な事実を明らかにして論理を公開するというようなものでは全然ない。そうしたものが存在するとしてもそれは支配者や支配民族のお仲間のなかだけの話であって、支配する大衆や他民族に対しては古代的な皇帝が領民を見下すような心性があるのだと考えます。アジア的な家来的な心性からはけして見ることのできないのが、アジア的な皇帝や支配者の心性や思想や思考なんだと思います。だから家来は殿様は自分たちのことを思いやり、温かく見守ってくれると考えたがる。しかしそんなことは幻想です。
なにもかもを奪われ、最後は命まで奪われかけないときっとアジア的な心性が破れることはないのかもしれません。そしてその段階は刻々と近づいてきているように私には思えます。それまでは悔しく不安でよくわからないが消えない疑惑に苦しみながら考え続ける日々は続くでしょう。しかしいつかは解明しましょう。吉本がそうしてきたように。