2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

僕は絶えず歴史的な現実からの抑圧を感じてゐる。これは大戦中にも感じてゐたものと正しく同じ性質のものである。僕の思想が当然受けるべき抑圧であるかも知れない。(断想Ⅰ)

この吉本のいう「僕の思想」の中身が重要です。この文章で言われていることは歴史的な現実というものから抑圧を感じているということだけです。抑圧を感じているというのは具体的にいえば一家団欒で食事をしている時でも、職場で現場の仕事に集中しなければ…

ヨオロッパは精神の課題を第一義とすることが出来るに反し、アジアは現実の課題を第一となすべきである。(断想Ⅱ)

精神は現実があって始めて血肉となるものです。理解だけなら才能と知の習得に恵まれた少数のにんげんができるでしょう。しかし一般大衆が総体としてある精神の段階に達するには、現実の段階が踏み越えられる必要がある。それがアジアの課題で、今でもそうで…

〈世界の美は、悪しきもの、害あるものの秩序からも生ずる。(アウグステイヌ)〉(断想Ⅵ)

アウグステイヌじゃなくてアウグスティヌスじゃないかと思うんだけど外国語は全然わかんないからな。ましてアウグスティヌスの思想というのは全然知らないので困ります。だから今回は昨年にも増してテキトーなことを書きますので、しかもちょっと酒もはいっ…

我々は虚無にあつて何ものをも創造せず、何ものをも定義せず、何ものをも救はない。(〈虚無について〉)

虚無という形而上の言葉を「うつ」という形而下の言葉に置き換えてみます。うつは何も創造できない、理屈に耐えられないから定義もできない、誰も救えないしそもそも自分自身が救えない。しかしうつであろうとなんであろうと生きている以上、どこかにひそか…