2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧
個我の生産物というのは、芸術のことといえると思います。しかし芸術というと生産活動の外にあるものという感じになります。しかし吉本のこの初期ノートの言いかたというのは、人間の生産活動というものをもっと拡大してとらえたい、そして芸術といわれてい…
「場」というのはつまり文化的な土壌だと思います。そしてそれを支える経済社会的な土台です。ヨーロッパには日本とは比較にならない歴史的な学問や芸術文化の土壌があります。またそれを支えてきた経済社会の歴史的土台があります。たとえばニーチェがいて…
自分のこころというものを、ひとかたまりのものとしか思えないならば、つらいことが起こると自分を責めるしかないわけです。あるいは自分がただ耐えるしかない。ひとかたまりだと思えば、外側の世界とひとかたまりの自分しかないんだから、つらい状態は世界…
吉本がこのノートを書いてから65年くらい経つわけですが、環境のように希薄だと書いた自我の問題はもっともっと進展したといえます。かんたんに言えば誰もかれもが同じような生活をするようになったということです。すると誰もかれもの無意識も似通ってくる…