2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

僕は次の精神の段階において僕を待つものが疾風怒濤であることを予感する。僕はそれを自らの精神によって、同時に肉体によつて行ふだらう。(断想Ⅳ)

この初期ノートを書いている時期の吉本は、いわば「ひきこもり」の時期だったといえましょう。敗戦の衝撃を受け止め、新しく思想の構えを立て直すためにうつうつとして考えつづけている、外から見たらひきこもっていた時期ではないかと思います。吉本に言わ…

精神は余りに抵抗しすぎて疲れてゐる。(断想Ⅲ)

そうなんでしょうね。ご苦労様です。おまけ。 ありません。

常に方法的な基礎のうへに建築された体系は、巨大な圧力を呈するもので、絶えずおびやかされてゐる架空な設計家は、直ちに模倣家と変ずるかさもなければ、自らの場所を逃れ出すであらう。だが方法的な基礎のうへに建築された体系は、若しそれが心理的な充填物を充填しない限り、激動に対して鞏固ではないものだ。即ち多少の可鍛性がないものは脆いと言はなくてはならない。(方法的制覇)

「常に方法的な基礎の基礎のうえに建築された体系」というのは、たとえばマルクスの思想体系のようなことをいうのでしょう。その思想体系は全歴史、全世界をおおって、その方法的原理は人間と自然の根源的な関係をめぐって作り上げられています。だから圧倒…

方法性は決して浸透作用を持つものではない。それは膜平衡の原理には適用されず、多くの結節をもつた脊髄の如きものであらう。(方法的制覇)

化学の人だなあという感じの用語ですが、方法とか原理というものの性質を述べているのだと思います。しかし吉本が亡くなって感じることですが、吉本が方法的に原理的に考察してくれているおかげで、吉本の考察がもっているわけです。その時の情況にみあった…

常に方法的な基礎のうへに建築された体系は、巨大な圧力を呈するもので、絶えずおびやかされてゐる架空な設計家は、直ちに模倣家と変ずるかさもなければ、自らの場所を逃れ出すであらう。だが方法的な基礎のうへに建築された体系は、若しそれが心理的な充填物を充填しない限り、激動に対して鞏固ではないものだ。即ち多少の可鍛性がないものは脆いと言はなくてはならない。(方法的制覇)

「常に方法的な基礎の基礎のうえに建築された体系」というのは、たとえばマルクスの思想体系のようなことをいうのでしょう。その思想体系は全歴史、全世界をおおって、その方法的原理は人間と自然の根源的な関係をめぐって作り上げられています。だから圧倒…

方法性は決して浸透作用を持つものではない。それは膜平衡の原理には適用されず、多くの結節をもつた脊髄の如きものであらう。(方法的制覇)

化学の人だなあという感じの用語ですが、方法とか原理というものの性質を述べているのだと思います。しかし吉本が亡くなって感じることですが、吉本が方法的に原理的に考察してくれているおかげで、吉本の考察がもっているわけです。その時の情況にみあった…