2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「芸術家は習慣によって、即ち技術によって制作してゐる。決して何故?といふ問を喚起しないだらう。この問ひは芸術家の中に一人の批評家を生むものである。僕は、批評家をその胎内に持たない芸術家を好まない。画家音楽家を僕は好まない」(芸術家について)

批評家を胎内に持たない画家、音楽家というのは、目とか耳の感覚器官を主として働かせて作品を作っているということになると思います。そういう芸術家にももちろん言葉はあるわけですが、その言葉は主として感覚器官からの刺激を言葉にしていると思います。…

「芸術は芸術であるが、芸術発生の動機には一つの抑圧に対する反応があった。即ち人間精神の存在についての或る岐路があった。この岐路から出発しない芸術は空しいし、常にこの岐路に立ってゐない芸術家はだめだ」(芸術家について)

抑圧に対する反応と吉本が言っている意味はよくわかりません。私は芸術家ではないですし、普通の勤め人ですから。しかしもし私たちが芸術家でなくても、もし精一杯に考えて、これしかないという選択をもって行動する時に、それは生活において芸術に似たもの…