2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧
言語的世界というものがあって、言語的世界が生まれ出るもやもやとした心の世界があるとすると、その心の世界が形成されるのにはふたつの経路があって、ひとつは身体の外壁系の感覚諸器官から入ってくるもので、もうひとつは内臓系の諸器官から入ってくるも…
この考え方も初期ノートのなかに何度か登場するものです。吉本の文体には化学の学徒としての教養と体験が入り込んでいますから、これもエネルギー不変の法則みたいな記述になっていると思います。吉本にはなにが痛手だったのかと考えると、さまざまなことが…
なんだか難しい言い方をしていますが、私なりの平ったい言い方で解釈すると芸術というのは植えつけられた価値観を疑う、ということをどうしても伴うということじゃないかと思います。世間に流通している価値の秩序というものがあります。知識のあるほうが無…
1980年代に入ってから吉本は「マス・イメージ論」を書き、高度資本主義とか超資本主義というべき現在の社会の解明に力を注ぐようになりました。その一連の考察のなかでこの文章にも出てくる「速度」の問題を取り上げています。社会的な速度、時間の流れ…