2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧
具体的にいえば、打ち砕かれた方法的な体系というのは軍国主義のイデオロギーということになると思います。吉本が戦中に信じた日本帝国のイデオロギーが敗戦によって打ち砕かれたということです。それを組み立てるというのは、戦後の社会でもう一度自分が信…
これは受け身ということを言っているわけです。受動性です。執着というのは意思です。忘れないぞとか絶対たたかってやるというのが意思です。しかしそういう覚悟や意思というのはもろいものです。それは世界が変わると変わってしまう。しかし世界からやって…
このノートに書かれた発想、つまり古代の人々が生み出した美しい、壮大な、妖しい幻想の土台には抑圧、欠乏の状態に置かれた共同体の生活があるという発想は、粘り強く追及されて後年の「共同幻想論」にまで展開されていったといえると思います。たとえば「…
政治と文学という主題を吉本が十分に解明していない時代の吉本の考察なんだと思います。政治と文学という主題は当時の左翼の大きな問題意識であり、吉本はその主題に取り組むなかで自分の思想の道を発見していったといえます。それについてはまた長い話にな…