2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧
ここには吉本の思想の重要な要素である「受動性」というものと、その核となる体験が述べられていると思います。戦争中に吉本の内面を充たしていた戦争肯定に至る世界認識と、徹底抗戦とか戦争死の覚悟といった内面の覚悟性が敗戦の現実によってこなごなに砕…
これを書いている若い吉本はかなり「うつっぽい」ですが、病的とはいえません。なぜならば過去は辛く、未来はまったく見えない状態ですが、過去から現在へそして未来へという了解性は抑圧されながらも生きていて、それが吉本を苦しめていることが分かるから…
これは要するに「愚民政治」という言葉がありますが、一般の民衆に権力を持たせると「愚昧にして残虐な」支配を行ってしまうというランケの考察に吉本が反発しているのだと思います。ランケのいうことを普遍化すれば結局一般大衆というものが愚昧にして残虐…
その動機の現実性を信じるという言葉が心を撃ちます。一般大衆の現実というところを信じるということです。そしてやってみなければわからない実践というものの現実性を指摘していると思います。では大衆の現実というものは理念の眼から視えるのか。視えてい…