2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

言い慣らされてゐる言葉のやうに僕もやはり有りふれた言葉をつげよう。再び出遇はない星に対しては〈アデユ〉を、また遇ふべき星に対しては〈ルヴアル〉を用ひて。(エリアンの感想の断片)

吉本隆明が亡くなった。3月16日の金曜日だそうだ。私が働いているデイサービスの近所の日本医科大学病院に入院していてそこで亡くなったらしい。なにも知らなかった。 吉本さんが亡くなったと知ったのは18日の日曜で副島隆彦の学問道場というホームページの…

僕は風のやうに死ぬことを欲する。(〈少年と少女へのノート〉)

風のように死んだのかどうかわかりませんが、死というものについて充分な思想的な遺産を残してくれたと思います。吉本さんの講演集を以前弓立社から出たのを買ったことがあるけど、糸井重里事務所から出ていることを知ってだぶっているのを承知でまた買って…

疎外された階級は何らかの復讐心を持つであらう。これは種々の形態で発動されるものである。

現在の日本は小泉・竹中政権以後、それまでの中流階級意識が9割を超える中流社会から貧富の格差の拡大した社会に転換させられた。これはアメリカの格差社会と同型のもので、小泉・竹中がアメリカの意向に服従して日本社会を変質させたものと私は考えます。そ…

僕は嫌悪ということに自らを喰われた。(〈老人と少女のゐる説話〉Ⅵ)

嫌うということは愛するということと両価的なことであり、それは内臓系のこころの跳出であると吉本は述べています。嫌うこと憎むこと、それは対象に向けた内臓系の心の動きである。そして対象を見失ったときに、自分自身に向けられる。それが自己嫌悪、嫌悪…