2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

僕は僕の歩みを決定する。だが他人にとつて僕の歩みだけが僕だ。これは魔法のやうに僕を怖ろしくさせる。(序章)

これはですね、人は何かをしようという動機をもって行動するけれど、思うようにはいかないわけで、その行動の結果は動機とはかけ離れたもにになることが往々にしてあるということだと思います。それは現実というものがあるからで、現実と格闘し現実によって…

終に開花しないかも知れない僕の青春。(序章)

大丈夫。青春が開花したかどうかは知りませんが、吉本のなそうとした思想的な動機は大輪の花となって開花し、さらに死後も開かせるものがいれば開くであろうさらに大輪の花の蕾もたくさん残っている。吉本のような生涯があるということがどれだけ勇気を与え…

覚醒といふのは積極的な消費で、それは思考の体操の如きものである。(方法的制覇)

こういう文章は分かりにくいですが、若き日の吉本が化学者としての思考の方法で文化系の文学や思想の問題を扱おうとしている気がします。吉本が色紙を求められたら書く大好きな言葉は宮澤賢治の「ほんとうの考えと嘘のの考えを分けることができたら、その実…

危機とは僕にとつて且てすぎてきたところのものだ。僕は死のうちに生の仮面をつけてゐるだけだから。僕はもう誰のためにも笑はない。みんな喪してきた。(〈夕ぐれと夜との言葉〉)

まあそう言わずにいっぱい呑もうよ吉本くん。きみは本当はオレより年長で、しかももう亡くなっているんだけど、ここでの君はオレより30年くらい若いんだ。君がオレより賢くてすげえ男だということはよく知っている。でもさ、もうおしまいみたいなことを言…