2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧
宮沢賢治は生涯経済的にちゃんと自立できなかった人で、親の仕送りに頼って暮らすことから抜けられなかった人らしいです。だからそういう面から見ればダメな人だともいえます。一人前の社会人になりきれなかった弱さをもった人といえるでしょう。宮沢賢治に…
吉本は自分の性格をなにかのアンケートに答えて「受動的戦闘性」と書いていました。これはこの文章の「この消極性の中に、何とも言われぬ積極性が現れる」ということと共通しているように私は思います。受動性というのは受け身ということで、受け身であると…
吉本にとって宮沢賢治は大きな存在で、正面からぶつかった宮沢賢治論は膨大なテーマを追求しています。その全体はとてもここで書ききれないわけですが、このノートの部分に触れるようなところを少し解説してみます。「悲劇の解読」(1979筑摩書房)のな…
その悲しみはひとつには魂の奥底からゆさぶるようなものだということであり、もうひとつはそれが「わけがわからないところにわけのわからいことろ自体としてある」ということなんだと思います。つまり二重になった悲しみです。そこで吉本は少なくともわけが…