2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧
宗教から法が生まれ、法から国家が生まれるというのがマルクスの考察だと思います。そういう意味では宗教が否定され、より現実社会に接した法や国家が成立する過程は人類が主体性を獲得していく過程だといえると思います。しかしそれだけで事足れりとするな…
吉本は宗教も知やイデオロギーも信仰のなかに含めていると思います。つまりその両方があるということが、どちらもの真実性に不十分さがあることを意味しているということだと思います。真実をもとめてあらゆる神々の古ぼけた顔を破壊して、そのあとにきっと…
初期ノートの別の個所に「僕は眼を持たない。眼なくして可能な芸術。それは批評だ」と書いてあります。批評というものは論理性であり、抽象性であり、観念です。目で見るとか手で触れるという五感覚でとらえた対象を観念の内部で抽象化していくことは、抽象…
山本哲士という学者がインタビューした吉本の「思想の機軸とわが軌跡」「思想を読む 世界を読む」という分厚い本を読んでみました。山本哲士がしきりに述べていることがあって、それは吉本の思想を理解するということより、吉本とともにこの世界を探求するこ…