2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧
この文章は吉本が米沢工業高校時代に友人たちと作った同人雑誌に載せたものだそうで、1943年に書いたものだというからまだ19歳くらいでしょう。吉本が紛失したその同人誌を川上春雄という人が根気よく探し出して「初期ノート」を編集したということで…
これも19歳の若造の吉本の文章ですね。勤労奉仕という言葉に戦争中の風俗があらわれています。人を利己主義でもいいし、不道徳でもいいし、卑怯者でもいいけど、責める人はあんたのほうが利己主義なんじゃないの、ということを言っています。そういう人は…
有用なものではない普遍性というのは、言い換えれば「無償」ということだと思います。「有用性」は何かの役に立つこと、「無償性」はなんの役にも立たないことです。「普遍性」というのは世界中の誰でも納得する正しさです。自然を相手にしても社会を相手に…
これは吉本の過ごした佃島のあたりの光景でしょう。海があって、夕暮れがくる。誰にもふるさとがあって、その情景がこころの奥のイメージを決定づけているといえるんでしょう。わたしは文京区の山の手と下町の中間のような町に育ち、文京区特有の東大から漂…