2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

僕は欲望が無限のものであるかどうかを試みたことはない。恐らくそれは無限のものではないと思はれる。その限界において僕は必ずや人性の限界を視るに相違ない。(断想Ⅳ)

欲望といっても様々な種類がありますが、モノに対する欲望というものは分かりやすい限界が考えられると思います。たとえば我が家にはテレビが2台ありますが、3台要るかといえば要らないわけです。お風呂場にあると半身浴をするのに退屈しないでいいなとたま…

自然の秩序は先づ存在があつてそれの効果があらはれるという順序をたどるが、人性の認識する秩序は、先づ由因があつて次にその存在があるという風に考へるところに ある。(断想Ⅳ)

これは人間だけが「考える」ということを極度に推し進めるということをいいたいのではないでしょうか。違う? それは人間だけが時間を意識するということでもあると思います。由因つまり原因を求めるということは時間の中にあるからです。個としての人間の時…

人間の思考は、あたかも逆行するが如き感覚を伴ひつつすすむ。(夕ぐれと夜との言葉)

自分が何かを考え込む状態を内省してみると分かりますが、要するになんでこんな事態になったんだ?と原因を探っていくのではないでしょうか。それは思考が時間を逆行することだと思います。この時間というのは自然時間ではなく、考えとか感覚が形成されてい…

個性に出遭ふみちは困難である。青年は決して個性的であることは出来ない。青年が錯覚のために死ぬのは、ここに於てである。(「夕ぐれと夜との言葉」)

個性というのは宿命という意味で使っていると思います。宿命というのは人間がその内面的な選択を現実にぶつけていって、いわば内面が核にまで削り取られていった段階で自覚されるものだと言えます。つまりあっちにぶつかり、こっちにぶつかり、色んなことを…