2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧
これは「母型論」とも関連することですが、にんげんが育てられる主として母親との関係というものと、その育てられた者の共同体に対する感覚ということには対応性が考えられるというのが吉本の思想です。つまりどう育ったかということと、そいつが社会や集団…
無意識のなかの受け身の感受性が共同体の強いてくる秩序の感性に合致している状態を「明るさ」とみなすことができます。明るく健康的という感性にはそうした無意識と共同体との合致がある。しかしその合致に疑いが生じ、あるいは容赦なく切断されたらどうな…
ニポニカというのは日本のこと、アルダンとソルベエジユというのはアメリカとソ連。エリアンというのは吉本が書いた「エリアンの手記と詩」という長編散文詩の主人公で吉本自身を仮託したものです。初期ノートのこの部分は「エリアンの手記と詩」のモチーフ…
吉本は戦後、戦争責任論を提起して論壇にデビューしました。その戦争責任論を詳しく述べる余裕はありませんが、戦争中に反戦的であったという人を信じないと言っています。戦争中に公的に戦争否定を述べたり行動することはありえなかった。ただ心のなかで戦…