2013-03-23から1日間の記事一覧

思考は眼を持たない。眼を原材とすることはあつても。従つて画家の仕事、即ち絵画は決して思想の表象ではない。それは眼だ。眼が思考するとき、抽象が表現される。(原理の照明)

言語的世界というものがあって、言語的世界が生まれ出るもやもやとした心の世界があるとすると、その心の世界が形成されるのにはふたつの経路があって、ひとつは身体の外壁系の感覚諸器官から入ってくるもので、もうひとつは内臓系の諸器官から入ってくるも…

やがて痛手は何かを創造することだらう。自然と同じように人間は抑圧をエネルギーに化することが出来るものなのだから。〈三月*日〉(夕ぐれと夜との独白)

この考え方も初期ノートのなかに何度か登場するものです。吉本の文体には化学の学徒としての教養と体験が入り込んでいますから、これもエネルギー不変の法則みたいな記述になっていると思います。吉本にはなにが痛手だったのかと考えると、さまざまなことが…