2016-06-27から1日間の記事一覧

人類が宗教を否定してゆく過程は、とりもなほさず人類が被支配者たる自らの位置を否定してゆく過程である。同時に、人間精神が宗教性から離脱してゆく過程は、とりもなほさず人間精神の全き自由と独立への過程に外ならない。斯くて僕たちは内的規定と外的規定とを共に神及び神権政治の排滅の方向につきやぶりながらゆかねばならない。(エリアンの感想の断片)

宗教から法が生まれ、法から国家が生まれるというのがマルクスの考察だと思います。そういう意味では宗教が否定され、より現実社会に接した法や国家が成立する過程は人類が主体性を獲得していく過程だといえると思います。しかしそれだけで事足れりとするな…

人類は未だ若い。到るところに神々の古ぼけた顔がのぞいてゐる。(エリアンの感想の断片)

吉本は宗教も知やイデオロギーも信仰のなかに含めていると思います。つまりその両方があるということが、どちらもの真実性に不十分さがあることを意味しているということだと思います。真実をもとめてあらゆる神々の古ぼけた顔を破壊して、そのあとにきっと…