建築の間を歩むとき、精神は均衡と垂直性とを恢復する。(〈建築についてのノート〉)

山本哲士という学者がインタビューした吉本の「思想の機軸とわが軌跡」「思想を読む 世界を読む」という分厚い本を読んでみました。山本哲士がしきりに述べていることがあって、それは吉本の思想を理解するということより、吉本とともにこの世界を探求することのほうが重要なのだという意味のことです。これはマルクス主義者がマルクスの思想の理解にとどまる教条主義に陥りやすいというのと同じことだと思います。それは巨大な思想や宗教に出会った小さな思想の陥りやすい道でしょう。現実を自分のあたまで考えるという本筋まで行かずに、やっとこさ理解した巨大な思想をマニュアルのように現実に当てはめることしかできないということです。それは現実とイデオロギーの逆転、倒錯を生むわけです。耳が痛いですね。



おまけ

ありません。