麻打 揚葉の銀とみどりと はるけきは青らむけぶり よるべなき水素の川に ほとほとと麻苧うつ妻 私は文語詩を読んでこの詩に至つた時思はず躍り上る程よろこびました(孤独と風童)

わたしには吉本の躍り上がるほどのよろこびはわかりません。しかしこうした文語詩を読みこなす吉本の基礎的な理解力の厚みというものには感嘆します。わたしたちは読者として吉本の努力の成果としての書物を読むことができるだけですが、その書物を作るための勉強や実作の努力のすさまじさというものを想像します。いつかそういうものの一端をどこかの出版社で見せてくれたらなあと思います。

おまけです。
琉球弧の喚起力と南島論」(河出書房新社 1989)より

歴史は無意識にまかせればひとりでにアフリカ的都市はアジア的都市になり、アジア的都市は西欧的都市になるに決まっているわけです。だから、そんなことは誰も変えられません。だけれども、アフリカ的自然における賢明な政府が、人類はこうでなくてはいけないとか、都市というのはこうあるべきだ、また農村というのはこうあるべきだというようなことをよくよく考えて計画し、作るというならば、草原地帯の上に作られる可能性があるということがいえるわけです。