2014-11-22から1日間の記事一覧

若し我々が存在するならば存在の周囲には一つの精神の集中があると考へられる。この集中は規定される以前のものであり、存在の一つの確証に外ならないとされる。(〈虚無について〉)

この初期ノートの部分は「虚無について」という短い章の一部です。この章は私が考えるには、後年「心的現象論序説」で展開した「原生的疎外」や「純粋疎外」という心的現象の根底のありかたを考えた概念につながっていくものです。詳しく解説していくと「母…

麻打 揚葉の銀とみどりと はるけきは青らむけぶり よるべなき水素の川に ほとほとと麻苧うつ妻 私は文語詩を読んでこの詩に至つた時思はず躍り上る程よろこびました(孤独と風童)

わたしには吉本の躍り上がるほどのよろこびはわかりません。しかしこうした文語詩を読みこなす吉本の基礎的な理解力の厚みというものには感嘆します。わたしたちは読者として吉本の努力の成果としての書物を読むことができるだけですが、その書物を作るため…