体得はいつも少しく遅れて僕に到着する。だから僕は所詮啓示の感覚を覚えたことはない。(断想Ⅳ)

啓示とか天から降ってくるインスピレーションというのは、詩人が作品を書くにあたってよく用いる形容です。吉本はそんなものは信じないといっているわけです。社会現実があって、それが個人の内面に与えるものがあって、それが繰り返されて体得という自覚になる。それが表現のなかにあらわれる。天からやってくるわけじゃねえ。そういう苦虫を噛み潰したような若者のすがたを感じればいいんじゃないでしょうか。

おまけ
はなしです。