しかし、「存在」論が、現在、ある時代的な意味をもつて主張されるのは、生まれたり死んだりする「個」そのものが、現代では、あまりに自己自身からも、「自然」からも、みじめに遠ざけられているからである。(過去についての自註)

この部分に書いてあることとは別に、吉本は「個」が生み出され、それが時代とか社会とかに異和を抱くのは、時代や社会のせいだけではなく、一個の生命である「個」がもつ本質かもしれないということを書いていたと思います。まわりの世界すべてに異和を抱き、それを超えていこうというのは人間的な意識の本質なのではないかということです。

おまけを探す時間がありませんでした。すいません。