昨日、ミリカの家の方を訪れた。母のみ。(一九五〇・四・二)(下町)

昔々高校生のころに、好きになった女の子の家の外の路上でその子の部屋の灯りをじっと見ていたことがありました。今ならストーカーと呼ばれちゃう。でもアンタもあるでしょそんなコト。エロスなんて言葉はアチャラカの言葉でよくわかんないけど、寒い路上で好きな子の窓を見つめる気持ちはわかるでしょ。それがエロスで、そのアンタの目がエロス覚です。冷える足元が、高鳴る胸が、半開きのバカみたいに空いた唇がエロス覚です。そんなことで、よいお年をお迎えください。


おまけ。
「母型論」より            吉本隆明
フロイトが見つけだしたところでは、あらゆる精神神経症のただひとつ変わらぬ源泉があるとすれば、性の欲動のエネルギーで、その流れの異常が症候を形づくることになる。