2011-12-23から1日間の記事一覧

下町は亡霊が蘇つたやうに、昔のままになつてゐた。老舗は元のままの位置に新しい営みをはじめてゐたし、ミリカの母はそこにゐたのだから。ただオト先生の家だけがそこになかつた。

これはいきなり読めば吉本さん突然何をゆっての?という感じだと思います。吉本は「エリアンの手記と詩」という長編詩を初期に書いています。この初期ノートの断片はその長編詩の設定をもとに書かれています。エリアンの長編詩は私小説みたいなもので、エリ…

昨日、ミリカの家の方を訪れた。母のみ。(一九五〇・四・二)(下町)

昔々高校生のころに、好きになった女の子の家の外の路上でその子の部屋の灯りをじっと見ていたことがありました。今ならストーカーと呼ばれちゃう。でもアンタもあるでしょそんなコト。エロスなんて言葉はアチャラカの言葉でよくわかんないけど、寒い路上で…