僕は実験する。だが恐らく僕は実証するひまを持たない。実証とは言はばひとつ

実験と実証というのはどう違うんでしょうか。またそれで吉本は何を言いたいのか。化学の実験が吉本の当時の職業だったとはいえ、化学のことを書いているわけではないでしょう。これは思想のことを言っているんだと思います。実験というのは実験室で行われる、繰り返し再現のできるものなんだと思います。実証というのはその実験の結果を実際の生活とか社会のなかで、つまり様々な要因が入り込む現実の場でも同じ結果を生むかというようなことだと思います。では思想における実験と実証ってなんでしょう。それはたとえば経済理論と経済政策みたいなものを言ってるんでしょうか。政治理論と政治活動とか。たぶん、そういう活動とか現実行動みたいなことをする暇はないと言っているような気もします。またそういう実証をしなくても思考実験としての意義はそれ自体としてあるといいたいような気もします。なぜなら吉本の思想の立つ基盤は、吉本自身がそうであったように現実行動などをする暇のない庶民大衆にあるからです。

おまけ
ありません。