一つの秩序は必然的に一つの思想的体系を要求する。秩序は支配する者にとつて一つの自然であるが、被支配者にとつては巧まれたる体系に外ならない。(秩序の構造)

現今の話題であるTTPという関税撤廃同盟の推進といったものは、世界秩序を支配するアメリカという世界覇権国にとっての政治的思想的体系の一環です。それはアメリカやアメリカに支配された日本の官僚組織や野田首相をかついだ民主党一派にとって一つの自然です。つまり当たり前のことで、アメリカの推進する世界秩序を推し進めることが日本及び世界のためと心から信仰しています。しかしそれは被支配者、つまりアンタや私にとって巧まれたる体系に外なりません。その巧まれたる思想をほどいてみるために人生の大半を費やすのが被支配者のインテリというものです。そのインテリと大衆の巧まれた支配構造のときほぐしが支配者の支配政策に間に合うのか、追いつくのかどうか。そこに世界の明日を占うツボがあります。

おまけです
「思想としての3.11」より
「これから人類は危ない橋をどぼとぼ渡っていくことになる」   吉本隆明

人間は滅亡が近いよなと悲観したくなる中で、一つだけ奇妙に希望を持てる確かなことがあるとすれば、それは人間の平均寿命についてだと思います。人間の寿命は今後短くなることはないんです。不思議なことだと思いますが、人殺しの武器でも発達させ、危険極まりないものを作っても、平均寿命の延びが止まる兆候はないんです。人間の生物としての生命や寿命が衰える兆しはどこにもなくて、極端なことを言えば、宮澤賢治の言うように、いつかは宇宙と同じ長さの現象を生きることになるよ、という文句のほうが通りがいいかもしれません。遠からず平均寿命が百歳以上になるのは自明の理だと思います。