ここでいう歴史とは永遠の課題といえるような長いスパンをもった歴史概念です。それは悠久の大河のような歴史であって、ひとりの人間の人生に合わせた100年足らずの歴史とは違います。しかしひとりの人間は自分の人生にこの雄大な歴史概念を合わせなければ心の辻褄があわないところがあります。そこから悲喜劇が生まれると吉本は書いています。
おまけです。
ほぼ日刊イトイ新聞「ほんとうの考え」(2009)より 吉本隆明
文化芸術というものは、人を強制したり、または、人を導いたり、ということはできないんです。つまり、もともと役にたたないことです。そのかわりに、自由度があるんですよ。