2016-09-10から1日間の記事一覧

〈思考の体操の基本的な型について〉 第二型 抽象されたものを更に抽象化する演習 第三型 感情を論理化する演習 論理を感情に再現する演習(〈思考の体操の基本的な型について〉)

初期ノートのこの部分は以前にも解説したと思いますが、若い吉本が論理というものにいかに凝っていたかがわかる部分です。スポーツに凝った人がゲームだけではなく、素振りをしたり握力を鍛えたりしようとするように、吉本は論理的に現実の問題を考えるだけ…

一の体制のなかにある人間はあたかも何ものかのうへに乗つてゐる心理を伴ふもので、これが体制といふものの心理的な基礎である。疎外された階級は動揺する心理をさけることが出来ないのであつて、これは少年たちの世界においてすら存在するものである。(〈思考の体操の基本的な型について〉)

「知識」の同時代の範囲を超えることを目指して、自由に感じ考える。それを失うと人類が長い間疑問なくおさまっていた共同体への受動性のなかに退行する。退行は何者かのうへに乗っている安心感といってもいいし、自由を求めることは動揺することといっても…