2015-07-25から1日間の記事一覧

若し僕たちが幼い時のままの感受性に加へるに論理的な綜合力と分析力とを保続しようとするならば、日課として幾つかの思考の体操の基本型をくりかへせばよいことになる。人間はしばしば自らの理解力や知力が齢とともに増進すると信じてゐるようだが、それは明らかに錯覚であると考へられる。(〈思考の体操の基本的な型について〉)

ここで吉本が思考の体操としているものは3つあって、①思考の浸透と拡散を同時に行使する演習②抽象されたものを更に抽象化する演習③感情を論理化する演習 論理を感情に再現する演習、です。このなかで思考の浸透と拡散というのがわかりにくいと思いますが、…

精神のすべての操作はそれが保存せられるために、演習せられねばならないのであって、演習せられなければ減退するのである。(〈思考の体操の基本的な型について〉)

アタマは使わなければ衰える。使っているアタマだって年とともに衰えるけれど、なんとか寿命まではもたせたい。だいたい今のような老人の認知症が問題になってきたのは、寿命が急激に延びたからだとおもいます。戦後すぐには50歳台でしかなかった平均寿命が7…