2013-01-12から1日間の記事一覧

〈反抗の倫理と心理〉反抗の心理のなかに、ひとは例外なく劣等意識を見出さうとする。このことは恐らく正しいだらう。だが何人と言へども現実の桎梏を解き放つことなくして、劣等意識の問題を解くことは出来ない。(断想Ⅵ)

反抗というのは抑圧された者が抑圧している者にあらがうこと、さからうことでしょう。独裁的な政府に対する民衆の反抗、経営者に対する労働者の反抗、教師に対する生徒の反抗、父母に対する子供の反抗。抑圧されているということが劣等意識を生み出す。その…

人間は開花すべき時代をその生涯のなかに有つてゐる。だから人間は未来のために生きるものではない。(断想Ⅵ)

これはマルクス主義的な人間観に対する反抗だと考えるとわかりやすいです。人間は遠くの未来の理想社会のために人生を生きるというようなものじゃない。思想として長い歴史時間を考察することと、100年も生きない短い個人の人生をどう生きるかということ…