2012-08-11から1日間の記事一覧

僕は情意のなかに混沌せしめられたとき、建築の間を歩むことを好んだ。単純な直線と曲線、影と量とが、僕を限定してゆくとき、僕の精神に均衡と比例とが蘇へるのを感ずるのであつた。(〈建築についてのノート〉)

人間関係で心が乱れるようなとき、吉本はビル街などを歩くと落ち着くということですね。こういう好みをもっと緊張度を高めた表現で書いたものが「固有時との対話」という詩のなかにあります。ちょっと引用してみましょう。 建築は風が立ったとき動揺するよう…

剰余価値は、高度資本制の複雑な機構下においては、最早余り意味がないのではあるまいか。むしろ注目すべきものは固定資本量の生態(膨張してゆく)である。(エリアンの感想の断片)

これはちょっとお手上げですね。よくわかりません。剰余価値というのはマルクス経済学の概念で要するに労働者が自分の労働の価値として給料をもらうわけだけど、その給料として払われる価値以上の価値を労働によって作り出す、その余った分の価値だから剰余…