2012-05-12から1日間の記事一覧

やがて痛手は何かを創造するであらう。自然のやうに人間は抑圧をエネルギーに化するものだ。(原理の照明)

この初期ノートの部分、心の傷はやがて現実に対するたたかいのバネとなるという考えはこの頃の吉本の文章によく出てくるものです。この考えには科学の徒である吉本の特色があらわれていると思います。こころをエネルギーと考えれば、抑圧はやがてどこかにエ…

暗澹たる道で僕はもう何も感じられなくなつた精神を歩ませてゐる。行き遇ふ者達は未知らぬものばかりだ。(原理の照明)

「母型論」のなかの「病気論」に、「病気のばあいの基本的な型は、外界の現実にたいして感覚系の働きがすべて撤退してしまい、その代わりに内臓系の心の働きの分野に新しい架空の現実をつくっている状態にたとえられる」という文章があります。精神の異常と…