2012-04-14から1日間の記事一覧

死はあまりにも普遍的なものであるから、誰でも死のまへでは貧しい人々になるものです。それは死においてすべては均質化せられるので、その前提として勲章や位階や富などが沈黙する外はないのだらうと思ひます。(〈少年と少女へのノート〉)

吉本さんの追悼文として少し書き足します。吉本さんが考えたことは著作を読むしかない。しかしあれだけのことを考えて考えて死んでいった吉本さんの生活人としての姿は、吉本さんの観念のあり方ほどはよく分からない。しかしそれでも垣間見えるものはありま…

僕は眼を持たない。眼なくして可能な芸術。それは批評だ。(原理の照明)

吉本は視えないものを視、聴こえないものを聴く。分かりやすくいえば、どこにも書かれていない発言もされていない秘された個人の心の奥に触れることができる。私の若いころ大学闘争が盛んだったころ、教授がつるし上げられたり教室がバリケードでふさがれた…