2012-01-14から1日間の記事一覧

僕らは離脱しようと欲するけれど、決して離脱することは出来ない。唯それは内的な限界を拡大し、多様にするだけである。(断想Ⅱ)

これは何から離脱しようと欲しているのか、この文章からは分かりませんが、この前の断章を読むと「決定的な宿命」なるものからの離脱ということだと分かります。決定的だから宿命なわけですが、この宿命が何を指しているのかは明瞭ではありません。ただ吉本…

僕は唯欲するがままに為すにすぎないけれど、欲するがままといふことは次第に一つの目的を形成するに至り、それは同時に苦痛をも伴ふに至る。即ち一つの労働に転化される。労働の感じを伴はないものは天才の作品を除いては決して存在しない。(断想Ⅱ)

労働の感じというのは、表現においては日常性が表現に込められていく過程です。では天才はなぜ労働の感じを伴わないのか。それは日常が始まる以前の源泉から表現を行いうるからじゃないかと思います。誰も知らない大洋というものを推察させてくれる存在はひ…