2011-10-22から1日間の記事一覧

社会とは不逞な僕から何もせしめることが出来ない代りに、僕になにもさせることをしないところだ。死すらも僕のために提供されてゐない。(〈夕ぐれと夜との言葉〉)

これは要するに死に場所がないという気持ちだと思います。時代劇でいくさで負けて浪人になったような男がよく口にする情念です。死に場所が欲しいのに良きいくさがない。だから浪人になって酒をくらいながら用心棒なんかをやっている。そんな時代劇に共感す…

且て死を選択することのなかつた幸せな人にお目にかかりたい。(〈少年と少女へのノート〉)

お目にかかりたかったら、そういう人はいくらでもいると思います。やっぱり幸せな人っていうのもいるんだと思います。それは死を選択するか死なんて考えないかということの分かれ道が人が生まれて育つどこかにあるということです。では理想的に生まれ、理想…