2011-05-28から1日間の記事一覧

生活すること、才能、思想、精神の構造、すべてに自信を喪つてゐる。(下町)

この文章はそのままの意味として受け取って、この文章と関係があるかどうか分かりませんが、自信を喪って落ち込む穴ぼこの世界について書いてみたいと思います。吉本は「悲劇の解説」という著書のなかで太宰治を論じています。吉本の描く太宰治は他者に対す…

僕は倫理性のない思想を尊重することが出来ない。(〈少年と少女へのノート〉)

倫理性というのは自分はどうするのかという自分の人生の選択を賭け、その選択の根拠を掘り下げるなかで姿を見せるものだと思います。それは自分という個が世界をどう受けとめるかという問いを含んでいる思想です。優れた思想にはそうした倫理性が込められて…