2010-06-12から1日間の記事一覧

憎悪はこれを訂正することができるが、且て愛したものを愛しなくなることは出来ない。このことは憎悪が偶然的なものに支配されるのに反し、愛は必然的なもの(生理的なもの)に支配されることに由因する。(断想Ⅵ)

愛というのは基本的にひとりの人間とひとりの人間のあいだに生まれるものだと思います。人間が人生の最初に受け取る愛は母親からの愛でしょう。乳児にとっての母親はまだ対象的に母親とは認識されていないと思います。したがって乳児期の母親は乳児にとって…

人間は生存するために卑小(ひしょう)でなければならない。そうして卑小性はぼくたちが歴史的に背負つてきた条件だ。僕らは時間を過去から切断し得ない限り、この卑小性を切断することは出来ない。そしてそれは不可能だ。(断想Ⅵ)

なにを卑小性といっているかよく分かりませんが、この社会の支配の秩序のどこかに組み込まれて、そこで金を稼ぎ、その秩序の感性に飼いならされていくような必然性を言っているのではないでしょうか。先祖代々政府や幕府や領主や地主の下で、生きるために働…