2010-05-22から1日間の記事一覧

風は吹くのではない。空気が動いてゐるのだ。だから僕は言はう。今日空は荒れてゐると。(〈少年と少女へのノート〉)

風が吹いてくるというのは私たちが馴染んでいる感受性の言葉です。それに対して空気が動いているという感受性は馴染みがない。それは科学的な知識として一般的に理解できるものですが、知識にとどまって日常的な感受性となっているものではないわけです。そ…

〈死はいつも内側から忍び込んで来るのですからね。だから僕らはふり返へらなければいいのだ。いつも厳しいところにゐればよいのだ。〉(〈少年と少女へのノート〉)

うつ状態に閉じ込められた人と話していて気がつくのは、すべてが過去だということです。もう取り返しがつかないという悔しさと恐ろしさと怒りが心のすべてを占めています。人のせいにして攻撃しては、攻撃する自分の弱さに傷ついてまたうつを深めます。どこ…