2010-01-23から1日間の記事一覧

「人間には確かに語らない部分がある。人間が精神と呼んでゐるものは、恐らくはその語らない部分から成り立ってゐる。」(原理の照明)

これは言葉について語っています。吉本は言葉、あるいは言語をそれが発せられた結果としての文章や録音されたしゃべり言葉だけで捉えるのではなく、言葉がひとりの人間の内から生まれようとする場面で捉えようとします。これがそれ以前の言語論と吉本の「言…

「虐げられた者の持つ狡猾さを女性も亦(また)持つてゐる。人類史はその胎内に女性史を持つてゐる。胎内にといふことは重要だ。誰がこの歴史を修正するか?」(原理の照明)

信じてはだまされ、いいように使われ、いらなくなれば捨てられる。そういう虐げられる立場を何百年も続けてくれば狡猾さを身に着けるようになります。そしていったん虐げられた立場の人間たちが力を身につけた時には、その耐え忍んで身に着けた知恵と戦術に…