2009-05-20から1日間の記事一覧

「人間が他人を認識するのは、習熟によってであり、その習熟が如何なる種類のものであっても、この原則は適用されて誤らない」(批評の原則についての註)

これは一種の逆説を語っているのだと思います。他人を認識するのは鋭い観察力とか洞察力とかによる、というのが普通考えられることです。しかしそれは一発勝負というか、ある時点で行う優れた判断ということであって、時間的な繰り返しという概念を含んでい…

「わたしはしかたなしに孤独な希望を刻みつけなければならぬ」(第二詩集の序詞(草案))

吉本は戦後少数ではありましたが、同じような思想を持ってともに戦うという思想的な連帯感を感じる人たちを持っていたと思います。それは必ずしもつきあいがあるとは限りません。しかし次第にその連帯感は失われ吉本は孤独になっていきます。そして現実とい…