2008-11-04から1日間の記事一覧

「われわれは自分のなすべき仕事の進路について考へる。つまりどのやうな道を、どの程度のひろがりで、どこへゆくかといふようなことについて考へるわけである。そのとき、われわれが末知らぬ路を歩いていると感じられるならば、われわれは、すくなくともその道を行ってよいのである」(第二詩集の序詞(草案))

これは未知というか未踏というか、誰も行ったことのない孤独な道を自分は選んで進んでいこうと思うという宣言だと思います。仕事という言葉は、ここでは詩集の序として書かれているわけですから、職業という意味ではなく詩のような表現を行うことを仕事と呼…

「無数の希望とは、希望について考へるぼくたちの精神的情況それ自体のことである。しかし、ぼくたちは精神の働き自体をどこかへあづけてしまってゐるのだ」(第二詩集の序詞(草案))

これは宿命ということを言いたいのだと思います。あれこれ考えて希望を語ることとそういう主観的な自由さをよそに、人間の観念を根源的に規定している宿命が別個に存在している。しかしそのことまで誰も踏み込もうとしないというようなことじゃないでしょう…