2008-10-21から1日間の記事一覧

「やがてわれわれの時代は、均衡の崩壊といふ現象につきあたるだろう。純然たる力学的均衡が人間精神の倫理的な性格を決定してゐるとして、この均衡の崩壊が、人間精神に何の変化を与えるかといふことは考察に値しよう。われわれの認識が少しも予言といふ機能をもたないとしても。この均衡の崩壊によって、人間のもっている組織に対する畏敬の滅したることは容易に考えられる」(断想Ⅷ)

何を言ってるのか分かりにくいので、少し噛み砕いて考えてみます。均衡というのは社会の秩序のことを言っているのだと思います。社会というものの主な要素は国家、企業、家族、そして個人というものだと考えてみます。こうした要素がある秩序を現実に保ち、…

「組織といふのは人間の精神の理論的判断の集成であることは違ひないとしても、その実られた果実でないことは確かである」(断想Ⅷ)

実られた果実どころか、きのうまでえらっそうに世界を脅していたアメリカ政府という組織は足元のアメリカの一般大衆から腐った果実のように見捨てられようとしています。しかし見捨てたくても結局政府のメンバーを入れ替えることしかできないでしょう。世界…