2008-04-22から1日間の記事一覧

「方法とはひとつの抽象された実体である」(方法について)

この「方法について」という初期ノートの章は12本の短い文章(断章)で成り立っていて、上の文章もその一つです。この章には、吉本の考える対象というよりも、考えること自体についての特色がよくあらわれていると思います。吉本さんは化学を学んできまし…

「方法は、習慣性を可能ならしめる手段を提供する。習慣性は、それなくして我々の思考が歩むことの出来ないものである。そのことは結局、我々の行為が歩み得ないことを意味する。少なくとも一貫せる行為が」(方法について)

これは前半のゼミの断章の続きです。実体のような包丁のような方法というものは、一回使って使い捨てというものではなく、何度もあらゆる対象に対して分析に耐えるものです。したがってそれは分析を繰り返し広げていく毎日に耐えることですから、習慣性を可…