2008-04-10から1日間の記事一覧

「反抗精神をひとつの倫理として規定することこそ、アジアの風土が加ふべき殆(ほと)んど第一義の問題である」(断想Ⅳ)

反抗精神がアジアにとって第一義の問題かどうかは私には分かりません。しかし吉本が言いたいことは少し分かります。それはアジアとは何か、という問題です。吉本のアジアに対する理解はヘーゲルやマルクスに拠っています。マルクスによれば人類の歴史の段階…

「精神はその閉ぢられた極限において神と結合する。精神は、その開かれた極限において現実と結合する」(断想Ⅳ)

これも本当に吉本の言う通りなのかよく分かりません。しかしこの言葉の背後には、戦時中定められた将来の戦争死を前に、天皇に自分の死の理由を求めた吉本の体験があります。従ってこれは単なる論理ではなく、体験的な論理です。 過去を切り捨てずウソをつか…