2008-03-27から1日間の記事一覧

「そして愛はた易く憎悪に変わる。僕は愛してゐる者が遠ざかつていったのを知ってゐる。人間は誰もそうなのだが、遠ざかるとき一様に残酷で冷淡なものである。その時憎悪を与えずに遠ざかる者は稀だ」(夕ぐれと夜との独白)

ここで「遠ざかっていった愛している者」がどういう人を指しているか、よく分かりません。恋人を指しているのか、友人・知人を指しているのか。両方なのか分からない。おそらく恋人を指しているのではなかろうと思います。恋人が去るときには、たぶん吉本は…

「僕は常に孤立した少数者を信ずる」(エリアンの感想の断片)

エリアンというのは若い頃の吉本の詩の中で、吉本自身を託した主人公の呼び名です。孤立した少数者を信じるというのは普遍的に正しいわけではありません。孤立した少数者が間違っていることもあれば、多くの人の選択が正しいこともありえます。しかしここで…