2008-03-04から1日間の記事一覧

「信ずるといふことは現実と自覚との断層を繋ぐことである。この断層が人間の主体性の象徴である。全ての弁証法は必然的に信ずる機能を強要する」

なまの現実に対して、現実に対する認識はつねに不十分で、追求を続ける途上のものとしてしか存在できません。認識を正しく扱うには、その認識が成立する範囲というものを知っていなければなりません。その範囲を逸脱すると、どんなすぐれた認識も思想も迷妄…

「信ずるといふことと不信といふことは全く同義だ。信ずるといふことは、排除される以前に、存在しないのである(虚偽といふものの定義)」(下町)

この文章は表現が不十分なため分かりにくいと思います。それは表現した吉本の責任です。不十分な表現は無理に分かろうとする必要はなく、分かるところだけを感じ取って離れればよいのです。またこうした他人の文章に対する態度も吉本から教わったものです。 …