真空の時期といふものが生涯のうちにあるとするなら、それは僕にとつて現在である。(原理の照明)

真空の時期というのは、現実に向かうことができずに観念のなかに閉じこもっている時期ということなんじゃないでしょうか。「ひきこもり」についての後年の吉本の考えに沿っていえば、それは吉本の「ひきこもり」の時期だと思います。吉本は「ひきこもり」を肯定しています。ひきこもることなしに何も生み出すことはできないということです。吉本の「真空の時期」は「初期ノート」を生み出し、「初期ノート」には後年の吉本の思想的展開の原型が詰まっているといえると思います。



おまけ

ありません。