2017-01-28から1日間の記事一覧

○科学者とは、科学に没入し、次に否定し、次に肯定し、これを超克した人にのみ与へられる名称である 科学に没入したのみの人を科学者とは言ひ得ぬ それは泥と飯とを前に並べられて泥を撰ばずに飯を喰ふ小児をもつて栄養学者と言はれないのと同日である。(科学者の道)

科学にしても栄養学にしても知識の世界、知の世界ということですね。吉本は知の世界に没入していくんですけど、どうしても没入しきれないものがある。知の世界よりも現実の世界のほうが大きいと感じるんでしょうね。それは特別な現実じゃないんで、ごくあり…

○矛盾的自己同一の世界では、それに於てあるものが相対立し空間的に一である 即ち世界は多の一である かかる方面に於ては何処までも物質的であるがそれが一の多として時間的であるとしては生命的である 而してそれが何処までも時間的として多否定的なる時世界は全体的一として自己形成的となる かかる場合個物は世界を宿すものとして個体的となり身体的となる かかる方向に於て我々は意識的となるのである 意識の世界は現はれるのである。(科学者の道)

矛盾的自己同一というのは西田幾多郎の概念だろうと思います。読んだことがないので解説はできませんが。手に負えないのでパスさせていただきます。おまけありません。