2016-08-13から1日間の記事一覧

〈わしの話は誰も聴くものがゐない。畏ろしさを思ふのかも知れない。〉 (〈老人と少女のゐた説話〉の構想Ⅰ)

これは吉本が若いころに書いた散文詩「エリアンの手記と詩」の構想を練っている時の文章なんだと思いますこの詩は主人公のエリアンに吉本自身が仮託された物語になっています。どこの国とも知れない国籍不明の舞台を設定した、吉本の数少ないフィクションで…

僕は夕ぐれと共にひとつの歌を沈める。(〈夕ぐれと夜の言葉〉)

よくわかりませんが、吉本がいっている「歌」というのは、吉本の心になかだけに秘められた「肯定」のイメージなんだと思います。それは現実のなかで歌われることができないんでしょう。しかし「歌」がないわけではない。それは「25時」のなかで、誰に伝わる…